前回の人名辭典(じんめいじてん)の情報をいただいたことで調査の幅がグッと広がりました。まるでアイテムをゲットしたことで次のステージへの扉が開く、ゲームのような感覚です。それは決して例え話ではなく、記されていたキーワードによって現実となりました。
「現メリスビル日會評議員」。日會とは日本人会を指し、アメリカにおける日系移民の暮らしを支えるための情報提供や交流、共通の利益の擁護などを目的とした組織で、戦前は主要都市にあったようです。他にも似たような目的で〇〇県人会などもありました。宗三郎がなぜお隣のユバ郡のメリスビル(メアリーズビル)の日會に属していたのかは、日米新聞の広告欄を調査していくと何となく解ります。同広告欄は広告費の大小によってもレイアウトが異なりますが、おおむね各都市にまとめられています。
羅府=ロサンジェルス、佐市=サンノゼ、桑港=サンフランシスコ、布市=フレスノ、櫻府=サクラメント、須市=ストックトン、王府=オークランド、傳馬=デンバーの都市名は多く散見されます。それに対してコルサは情報量としては少ない方です。恐らくコルサは他に比べて日系移民が少なかったのでしょう。こうした地域は、最寄りの都市の日會の傘下としてカウントされていたのではないでしょうか。だとすれば宗三郎がメリスビル日會の役員であったことも自然な流れと言えそうです。しかしこのあて漢字、日本人の発想の豊かさに感心させられませんか? ちなみにコルサは普通にカタカナ表記でしたww
FAMILY SEARCH
このメリスビルという地名と日系移民についてググッてみると、僕と同じようにアメリカに渡った先祖を調べた方のサイトに辿り着きました。メリスビルに関しては記事中、日本人街のあったリストに箇条書きで記載されていたのみでしたが、この方の記事がなかなかに面白く、ためになりました。彼の場合、当時アメリカに暮らしていたこともあり積極的な調査ができたようです。羨ましい!
でもって先祖を探すために何をしたか、どんなツールを使ったかが記されており、そこに紹介されていたのが、キリスト教会を母体とする非営利の家族歴史団体、無料の家族歴史と系図記録 — FamilySearch.orgでした。日本語でも操作が可能で、スマホのアプリもあったので早速登録して使ってみました。
このアプリは家系図を作って情報を共有できる他、在外日本人の歴史的記録、公文書を見つけることができる機能が備わっています。氏名・出生地・出生年・記録を絞り込む国や州など、判っている範囲の情報を入力すると検索できるという。入力情報が多ければ多いほど精度も上がります。では宗三郎の情報を入力し、検索してみましょう。
出てきました!
なにこのアプリ、有能かよっ!!