ご先祖は100年前のアメリカに何を見たのか

日系アメリカ人1世の先祖史を調査中です‼

超常現象博物館&体験センター

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 今回の記事は、若干怖い話を含みますので、苦手な方は飛ばしてしまわれた方がいいかもしれません。

 

 宗三郎一家が居を構えた741 Main Streetは、“OLD CHINATOWN DISTRICT”として歴史に名を残す建築遺産であったことが判りました。しかし歴史が長いからこそ、その闇もまた深いようです。アメリカ史は輝ける新天地の歴史がある一方で、その裏には虐殺と迫害、差別の歴史もたくさんあるのです……。そして過去の出来事は時に“カタチを伴わない、ある種の痕跡”を残すことがあります。

 

 

心霊スポット、あるいは事故物件!?

 以前、この地はサクラメントリバーを中心にインディアンの文化があったことを申し上げましたが、白人入植者によって彼らインディアンが討伐された、つまり強制移動や虐殺があったことが容易に想像できます。そしていくつかのウェブサイトは、この地がかつて虐殺されたインディアンの骸を埋葬する地であったことを教示しています。その地に建てられたのがこのレンガ造りの長屋です。

 

 また、中国人移民がこの地にコミュニティを作り、しかし一方で地下トンネルを介して様々な犯罪に手を染めていたことも述べました。この当時の西海岸はサンフランシスコを中心に、中国からの大量移民の中から犯罪組織がいくつも生まれ、組織同士の抗争も多かったとか。Tong Warsと呼ばれたこの抗争については2017年頃、アメリカのエンタメニュースでも言及されており、TVドラマ化されることとなって監督にはウォン・カーウァイが抜擢されたとありますが、その後どうなったのでしょうかね。

 

 こうした歴史背景を裏付けるかのような霊現象が、この建物で起こっていたことをWilliams Pioneer Review(アーバックル、ウィリアムズ、コルサ、マックスウェル地域の地元新聞)は伝えています。2010年3月5日発行の同紙で、Elizabeth Kalfsbeek記者が紹介しているのは「この地所に新たなレストラン“It’s Crepe Place”がオープンする」という内容なのですが……。(※当該の元記事は、以前はFreeで閲覧できましたが、現在では有料となっているようです)

 

 オーナーのJohn Ketelhutさんはアーティスト肌&チャレンジ気質らしく、運転手から舞台装置、照明エンジニア、音響エンジニアとして働き、さらにミュージシャンとして4枚のアルバム、自らの臨死体験を記した書籍の執筆を手掛けるなど、実に多彩な才能の持ち主。その彼がレストランを開くという話の中で、この建物にも触れています。

 

 新聞の記事によるとこの建物は1877年に建てられたとありますが、文献によってその年号はまちまちのようですね。さてJohnさんは引っ越して早々に怪現象に遭遇します。

 

 「中国の楽器の演奏が家のどこからともなく聞こえてきたり、キッチンで騒音がするのを体験したり、また誰もいないのに葉巻の煙の臭いが立ち込めたりする」という超常現象を体験したそうです。そこで興味を持ったJohnさんは超常現象研究者のサービス(いわゆる霊媒師やゴーストハンターの類ですかね)に依頼して、建物を診てもらうことにしたそう。

 

 するとここには4人の幽霊が住んでいるということを聞かされたそうです。その内訳はというと、「鈍器で殴られたような外傷を頭に追った女性、杖をついた年老いた東洋人男性、若くて物静かな中国人男性、そして意地の悪いカウボーイ」だそう。ちなみに別の文献ではその数年前に30代と10代と思しきインディアンの女性の骨が発見されたとの記述も見られます。この結果を受けたこの地所は国際超常現象研究協会(こういう協会があるんですね)によって公式心霊スポットに認定されたそうです。

 

 果たしてこの記事が書かれた後、使命感に燃えたオーナーは無事にレストランをオープンさせることができたのか!? それが、いささか懐疑的なのですよ。というのもSNSで僕の調査に協力を申し出てくれたアメリカ人の一人が言うには2012~2013年に、ここは“Colusa Paranormal Museum & Experience Center(コルサ・超常現象博物館&体験センター)"という香ばしい名前で運営されていたと。すでに閉館されているのですが、アメリカのYelpにも掲載されていてレビューは酷評ばかり。お金を取って超常現象を体験させるエキセントリックな商売はどうやら成立しなかった……。“It’s Crepe Place(=不気味な場所)” は実のところ、別の意味で “It's Creep Place(=奇怪な場所)”になってしまったのですね。


 さて、宗三郎の長女が生まれたのはこの住所で間違いないのですが、出産届のわずか2年後、つまり長男誕生時には15 4th Streetの住所に引っ越しています。その理由が頻繁に幽霊を目撃したから、ではなかったことを切に願うのですが……。